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東日医療新聞

気になったニュース(主に医療系)について書いていきます。

麻疹流行 一体誰が悪いのか?

麻疹流行 一体誰が悪いのか? 

ここ数日間、麻疹に関するニュースが相次いで報じられています。
主には関西国際空港の従業員の集団感染についてです。

関西空港で働く16人がはしかに 利用者に感染おそれも(8月31日)」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160831/k10010663251000.html
「新たに10人 関西空港の従業員に はしか広がる(9月1日)」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160901/k10010664751000.html

しかし、それ以外にも千葉県松戸市での感染や、関西在住の男性が麻疹発症後に幕張メッセ(千葉県千葉市)でコンサートに参加していたことなども報道されています。

「大規模コンサートに感染者 2次感染可能性を警告(8月24日)」
http://mainichi.jp/articles/20160825/k00/00m/040/024000c
「はしか、新たに2人 松戸保健所管内(8月22日)」
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/345792

麻疹についての基礎知識や予防法については以下が詳しいです。
国立感染症研究所 麻しん」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html

さて、この状況を招いたことについて、一部ブログや掲示板などでは、
麻疹ワクチン未接種者に対し、感情的な非難がなされています。

確かに、発症者のほとんどはワクチン未接種者であり、
そのためにワクチン接種年齢である1歳に達していない乳児、ワクチン接種を受けたものの免疫がつかなかった人(5%程度いるようです)を危険に晒しているのですから、
批判は当たり前とも思えます。

しかし、麻疹ワクチンを接種していない人にも、接種しなかった理由があるはずです。
理由として考えられるのは以下の3つでしょう。
①体質が原因で接種できなかった
②親が定期接種を忘れていた、あるいは知らなかった
③親が副反応を恐れ、接種させなかった。

①については、もう仕方がないでしょう。対策のしようがありません。
強いて言うならば、
「乳児のときにはアレルギーなどの原因で受けられなかった。しかし成長とともに改善し、受けられるようになった」
という場合にも全額自己負担となってしまう、という制度設計が問題でしょうか。

②についても、本人を責めるのは酷というものでしょう。
しっかり定期接種を受けさせていた親でも、どの予防接種を受けさせたかについては母子手帳を見ないとわからない、という人が多いのですから、
定期接種を忘れていた親が、忘れていたこと自体に気づくとも思えません。
もちろん、普通に乳幼児健診を受けていればおそらく保健師から指摘されます。
しかし、残念ながら乳幼児健診すら受けさせない親が一定数存在するのです。

③について、これが一番問題ですが、これも本人を責めて済む問題ではありません。
むしろ、
ワクチンの効果についてはほとんど報道しないにもかかわらず、ワクチンの副反応を過剰に喧伝するマスコミ、
薬害による訴訟を恐れ、接種を積極的に勧奨しない行政、
感染症は人災ではなく天災であるという日本社会の認識、
そして科学的知識が不足した親、
の四者からの被害者であるとさえ言えるでしょう。

これらのことを考慮すると、真に非難すべきはワクチン未接種者個人ではない、と言えるのではないでしょうか。